TOPICS

インタビュー アマダ会長兼CEO岡本満夫 アマダIoTソリューション「V-Factory」発表会 

板金機械大手アマダの東南アジア統括拠点、アマダアジアパシフィックでは5月23日、板金工場向けIoTソリューション「V-Factory」の発表会をアマダアセアンテクニカルセンターで開催した。アマダの岡本満夫会長兼CEOをはじめ、関係者、顧客企業ら約70名が出席した。

「V-factory」は機械の生産実績や稼働状態、保守状況を見える化する基本のWebアプリケーション「My V-factory」、およびオプションの保守サービス「IoTサポート」から構成されている。2つのサービスを通して、工場の課題を顕在化し、機械の能力を最大限発揮させる。当日は「V-factory」の概要を説明したほか、タイとマレーシアの顧客企業が挨拶。ほか、参加者はテクニカルセンターを見学した。

アマダは2016年にアマダアセアンテクニカルセンターをタイに開設。それまでシンガポールに置いていた地域統括拠点をタイに移管し、アマダアジアパシフィックを設立した。

 

インタビュー アマダ会長兼CEO 岡本満夫

―――2003年の社長就任後、2015年に会長になるまでに3,000億円近くまで売上を伸ばしました

私が社長に選ばれた時、当時の会長から「今までは数年先の経済環境が読めたが、最近は読めなくなった。これからはエンジニアの時代。良い商品を市場が要求するコストで作るのにあなたはふさわしい」という言葉をいただきました。大きく変えたのは、セールスのアマダからエンジニアリングのアマダへと経営をシフトさせることでした。売るということよりも、買っていただいた機械がお客様のワークを十分に作り込めるかどうかに力を入れました。

 

―――アマダにとって東南アジアの位置付けは?

世界の市場が先進国から新興国に移行して、当然中国が大きくなってきました。次は人口が大きいインドと見ました。ただ、インフラがなかなか整わず、インド経済と我々のビジネスがうまくマッチングしません。その次はどこかとなると、6億人以上の人口を持つ東南アジアです。税制上の観点などから、まずシンガポールに地域拠点を置きましたがうまくいきませんでした。それはなぜか。その国が板金というインフラで成長する市場全体の環境にない限り、地域拠点は会社の方向性に従って動くだけになってしまうからです。やはり、お客様はものづくりの技術を学びたい。機械をしっかり動かすサービス体制、トレーニング機能があって初めて、価値を見出していただけます。

 

―――タイ市場をどのように見ていますか

板金業界の発展には、生活が便利で豊かになるためのインフラが必要です。タイは前回来た3年前に比べて、たくさんの高層ビルが建設されています。ビルが建つということはエレベーターやサッシなどが必要になる。板金の世界が大きく広がっています。その頂点に今、タイはあるのではないでしょうか。インドネシアも拡大する要素があると思っています。今、世界にアマダグループは90社、従業員は8,200人程いて、約120人の日本人が海外に羽ばたいています。その中でアセアンには20人程、全体の2割が集中しています。中国が伸びた時もそれくらいの日本人が勤務していました。それだけ東南アジアにかけています。

 

―――製造業に限らずIoTがキーワードになっています

工作機械関係で、生産の全工程を通じたIoT化が実現できる商品を備えているのは、アマダを含めてもごく限られていると思います。板金加工は、切る、曲げる、溶接するといった多くの工程を経て一つの製品が出来上がります。板金工場は、1社の中で完結させることが出来ます。 アマダは、IoTマシンをはじめ、機械が100%動いているかを見える化し、生産効率を高めるためのソフトを揃えており、1社でスマートファクトリー化が完結できるシステムを提供できます。 一方、工作機械加工工場においては、様々な機械があり、一貫生産をするのが難しいので取組みに時間がかかると思います。

 

―――岡本会長が描くものづくりの将来像とは?

人口の多い国、地域=汎用機で生産する会社が多い、というのが昔の考え方でした。では人口が多い所に自動化は必要ないのか? アジアでは今、自動化ほどクオリティーが維持できるものはないという考え方になってきています。自動化=大量生産というだけではなくなってきました。もちろん、先進国はハイレベルな機械や自動化の比率が圧倒的に大きいですが、新興国でも先進国と同じくらいのレベルの設備の比率が高くなってきています。一方で、汎用機による生産も引き続き行われている。アジアはものづくりが2極化してきています。その中で、先進国の労働環境は少子高齢化、賃金上昇、時短などで、働く時間を少なくして生産量を多くしようという難しい環境にあります。新興国でもコストが上昇し、自動化技術は今後も絶対的に必要になります。女性でも、高齢者でも、安全にオペレーションできるシステムを作っていくべきではないでしょうか。

 

 

  • Facebook
  • twitter
  • line

関連記事